夢物語のようだが
私はローマのある場所に立つと
いつも時空がねじれていくような錯覚に陥る。
既視感か、過去世の記憶?
もちろん知る由もないことだが
その感覚を疑うことなく受け止める。
現代都市東京と
古代都市ローマとギリシャの融合を意識して制作をしている。

Art&Design studio C’s(デザイン事務所経営)
女流画家協会委員
武蔵野美術大学短期大学部美術科油絵卒業
《主な受賞・出品歴》
横須賀美術協会大賞(2000横須賀美術協会展)
女流画家協会初入選(2003女流画家協会展)~現在委員
中央美術協会初入選(2003中央美術協会展)~2011退団
郡山三郎賞(2006中央美術協会展)
世界堂賞(2007女流画家協会展)
損保ジャパン美術財団奨励賞(2007中央美術協会展)
カナダ国際交流賞(2008、2009Hands across the Pacific展)
AJAC展招待作家出品(2009)
損保ジャパン美術財団選抜奨励展(2009損保ジャパン東郷青児美術館)
フナオカ賞(2009女流画家協会展)
東京新聞賞(2010女流画家協会展)
中国湖北省武漢博物館出品(2010Hands across the Pacific展)
日本人現代美術6人展(2011イタリア・ローマ オルシーニ礼拝堂)
織田彩子賞(2014女流画家協会展)
環太平洋国家芸術展出品(2016ハルビン中国黒龍江省美術館)
国際交流展 企画・出品(2017中国武漢琴台美術館)
環太平洋国家芸術展(2017中国浙江省舟山美術館)
《個展歴》
ギャラリーSION(2009 川崎)
光画廊(2010、2013 銀座)
ギャラリー蔵(2010 富士宮)
ギャラリー泉の里(2010,2013~2016 軽井沢)
ギャラリーあづま(2015,2018 銀座)
私の絵のジャンルは、
性質、種類の異なる複数の素材を組み合わせて作るミクストメディアです。
題材はギリシャ、ローマの古代遺跡。
現地でスケッチや撮影をした遺跡をパソコンで加工し、変色せず且つ発色性にすぐれた銀塩レーザーでプリント。さらに表面をラミネート加工。重ねたアクリル板には遺跡に刻まれた文字をレーザー彫刻しています。
主にデザインの仕事をしてきましたが、絵やデザインよりももっと好きなことがあります。
それは考古学です。
考古学者になれませんでしたが、関われる方法が美術でした。
一人で旅をして、
遺跡の中を歩くことがなりよりも好きです。
特に石に刻まれた碑文に惹かれます。
古代のラテン語を勉強しながら自分で解読を試みています。碑文には書き方のルールがあり、それに沿って理解できた時は古代人と心が繋がる気持ちがします。その感動が作品の核となっていると思われます。
人間の歴史は戦争の繰り返し。どんなに美しい遺跡も必ず政治的、対外的な戦争に関わっています。そうした過去の傷を感じて制作していると、知らず知らずどろどろした作品に傾きます。
しかし私が表現したいものは、そういった歴史の傷ではなく、それを乗り越えて何千年も残ってきた人間の知恵と努力の証しとしての遺跡なのだと自覚しています。
パソコンを使った作業は感情を抑えた冷静な作品に仕上げる効果があり、私の暮らすIT化の現代都市東京の重層空間と融合しながらクールに仕上げて行きたいと考えています。
いっぽうで、所属している女流画家協会の展覧会では毎年2mの大作を出品するにあたり半年がかりでコツコツと碑文をひも解きながら、その解読理解の作業そのものを作品にしてしまおうという試みを、この数年間やっています。クールには仕上がりませんが、東京都美術館での展示期間中、来館者が首をかしげて「これは絵なのか?」とばかりに考え込んでいる姿を見かけるのは楽しみのひとつになっています。